スキ!好き!神戸!

神戸っ子なのに知らない事がいっぱい。神戸を深堀りしてみます。

山、海に行く


大根をくるんでいる新聞紙に、神戸のベルトコンベアの事が書かれていました。神戸市広報の須磨区版2011年2月号です。そういえば少し前に弟の家族が来たとき、「ベルトコンベアの事、おっちゃんに聞いてみ」と弟が息子たちにいったので、仕事でかかわったベルトコンベアの事を少しだけ話したことを思い出しました。
もし、からし種一粒ほどの信仰があるなら、この山にむかって『ここからあそこに移れ』と言えば、移るであろう。(新約聖書 マタイによる福音書 第17章20節より)
神様なら、一言で山を海に移すことはできますが、人間はそうはいきませんよね。でもぼちぼちならできますよ。子どもの頃、山を削り現在の高倉台という住宅地が出来ていく姿をみました。ベルトコンベアで土を運び、須磨海岸の西で、土砂運搬船にドドドッとのせて、神戸港までいき土砂を海のなかにいれます。そうして出来たのが人工島のポートアイランドなのです。
いとこたちと毎週須磨アルプスに登っていたのですが、馬の背といわれる部分を通り過ぎて西側に行ったところで北側を見ると、はげ山状態。大きなブルドーザーやトラックが行き来し、大きな穴の様な口に土砂をいれます。そうすると下にあるコンベアで土砂が運ばれるのです。見ていたはげ山は現在の横尾団地などですね。
務めた会社の親会社がコンベアを作っている関係で、神戸市の土砂運搬のベルトの接続工事に何度も行きました。僕はベルトを接続することなんて出来ないのですが、電気の資格をもっているので、大型の発電機と機材を接続するために資格をもった人間が作業をしないといけません。それで立ち会いにいくのですが、来たついでだということで、お手伝いをよくさせられました。工事をしている人は、どこにコンベアが走っているのか頭に入っていますが、僕は何となくしかわかりませんでした。広報をみて、そうそうココに走っていた、こうなっていたんだ、なんて今わかりました。
山を削ると、木がなくなって水をためることができません。それで土を運んだコンベアが走っていた地下道は、そのまま大雨などで出た大量の水を海に流すための水路として使われるように設計されていたのです。地下で仕事をしているとゴトゴトと振動音。びっくりして先輩に聞くと、山陽新幹線の走行音が伝わってきてるとのこと。そんな場所もありました。
僕が生まれて少しして始まった海の埋め立て事業。子どもの頃、山が削られて街が出来ていく姿を見。大人になって、その街の地下を走るコンベアのある場所で仕事をし、事業が終了して撤去。僕も長く生きたなぁと思いました。